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文屋秋栄
Fumiyashuei publishing Inc.
編者の言葉/編集幹事:松山壽一・高山 守
そもそもなぜ何かがあるのか、なぜ何も無いのではないのか。(啓示の哲学)
晩年、シェリングはこのように問うた。これは、今なおわれわれにとっても、究極の問いにほかならない。 シェリングは18世紀後半から19世紀前半にかけての大思想運動であったドイツ観念論哲学の立役者にしてドイツ自然哲学の領導者、またドイツロマン派の文学や美学にも棹さした多彩な思想家であったばかりでなく、自由と歴史、神話と啓示の問題を究極まで問い詰めた思索家でもあったが、その全貌がこの度の〈新装版〉シェリング著作集の刊行によってようやく明るみに出ることになった。
本著作集はシェリングの全生涯にわたる膨大な著作、遺稿の中から主要著作を厳選し、それらを信頼のおける翻訳によって読めるようにした本邦初の画期的な企てである。これによって、一般の読者は多彩かつ深遠な思想世界に誘われることであろうし、またドイツバイエルン科学アカデミー・シェリング全集刊行委員会の全面協力による初版テクストからの翻訳が可能となったことによって、シェリング哲学研究者や神学、宗教研究者のみならず、ロマン派文学や美学の研究者たちに対しても、地に足のついた思想史研究への道が開かれることになるであろう。